【会議を充実させたい方必見】 「会議ファシリテーションの基本がイチから身につく本」のまとめ

仕事や物事を進めていく中で、欠かせないものの1つに「会議」があります。職場での会議、保育園の保護者の会議、色々なコミュニティでの会議、、、。毎月、毎日、何かしらの会議が開かれ、参加したり、時には開催する側になることもあるかと思います。

日本人は、

「和をもって尊しとなす」

という聖徳太子の”十七条の憲法”の教えを今も引き継ぎ、みんなで話し合い、納得した上で決定したいという意識が強いです。そのため、小さなことでも会議で決めるという文化があるように思います。

しかし、会議に対して、何かしらの不満を抱えている方は少なくないのではないでしょうか。

例えば、

  • 参加者が誰も意見を言わない
  • 声の大きい(発言力の強い)人の意見に流される
  • 会議の終了時間が守られない
  • 会議で決まったことが実行されない
  • 会議自体が楽しくない

これらの問題を解決する方法になりえるのが、会議ファシリテーションというスキルです。

ご紹介する本は、「会議ファシリテーションの基本がイチから身につく本」釘山健一著 です。

会議ファシリテーションのスキルを活用すれば、

  1. 会議参加者の納得を得られるようになり、決まったことに対して実行されるようになる。
  2. 主体性可能性が引き出され、会議が楽しくなる
  3. より充実した話し合いができ、組織がより良い方向に進む

といったメリットがあります。

色々な会議の場で困っている方は、ぜひ会議の場でこのスキルを活用してみてください。

会議のマインドチェンジ

そもそも会議の目的は何でしょうか?

「会議で物事を決めるため」でしょうか。

「意見を吸い上げるため」でしょうか。

様々な会議があるため、一概には言えませんが、一番大切なのは、「参加者が合意し、納得すること」です。筆者はこれを、合意形成型の会議と言っています。

従来の会議であれば、議長が話を進めて形式的な話し合いにより、あらかじめ決まっている結論になるようまとめる・誘導する、といった形がほとんどかと思います。

それでは、参加者の合意・納得が得られず、会議で決まったことに対して、不満に思い、実行されないということが起きてしまいます。

合意形成型の会議では、参加者みんなの合意を得られたうえで結論を出すため、会議で決まったことに対して、納得しているため、確実に実行されるようになります。

会議の目的は、結論を出すことではなく、参加者の合意を得ることです。

このマインドチェンジができると、会議の質も、その後の生産性も確実に向上します。

ファシリテーションとは

合意形成型の会議において、進行役をする人(今まででいう議長のこと)を「ファシリテーター」といい、そのスキルのことをファシリテーションといいます。

ファシリテーション(facilitation)とは促進すること、活性化させることという意味です。

ファシリテーターと議長の大きな違いは、

  • ファシリテーターには決定権がない
  • ファシリテーターはリーダーではない
  • ファシリテーターは自分で意見を整理しない(参加者に整理させる)

ファシリテーターは、会議進行のサポート役といったところです。

意見を整理・決定するのは、あくまで参加者です。

会議において、意見を出すのも、意見を整理するのも、結論を出すのも、終了時間を守るのも、すべて参加者の役割であり、参加者の責任となります。

ですので、参加者にはその自覚を持ってもらうことが大切です。

いきなり自覚してもらうことは難しいので、少しずつ意識してもらえるような働きかけを続けましょう。

 

参加者の納得を得るには

参加者の納得を得るためには、

「参加者に意見を発言してもらうこと。それをみんなに聞いてもらうこと。」

が大切です。そのためには、参加者が意見を自由に発言できる空気感を作る必要があります。

何かしら意見を求められた際に、

「いい意見を言おう。発言して恥ずかしくないようないい意見を考えなくては、、、」

と思ってしまう方は多いです。このような雰囲気だと、発言数が減ってしまい、自由に発言できなくなってしまいます。

ですので、意見の質を求めるのではなく、意見の数を求めるようにしましょう。

ここで朗報なのですが、

意見をたくさん出しているうちに、脳が活性化してくるため、出せば出すほどいいアイデアが生まれるようになります。

どんなつまらないことでも、現実不可能なことでも、思いついたものを何でも意見として出すことが大事です。

その過程で、いい意見が生まれたり、見つかったりするものです。

本書の言葉で言えば、「意見の量は、意見の質を担保する」ということです。

こういった考え方を参加者にも持ってもらうことで、参加者の納得も得やすく、会議の質も上がります。

自由な発言ができる会議のために

まずは、会議の雰囲気を作ることが大切です。一例として、

会議室を変える。お菓子を用意する。

眺めの良いホテルの会議室での会議したり、話題のお菓子をチョイスしたりします。それだけで気分が上がりますし、会話も弾みます。

会議室を変えられない場合は、机の配置を変えて、なるべく参加者同士が近い距離に座れるようにすることで、密な雰囲気を作ることができ、会話も弾みます。

会議の最初にアイスブレイク(近況報告など)を導入する。

アイスブレイクと題して、参加者全員に一言ずつ話をさせておくことで、参加者はしゃべりやすくなります。

アイスブレイクのテーマとしては、まずは近況報告がおすすめですが、慣れてくれば、「みんなの知らない私」、「人生で一番輝いていた時」、「最近の新聞で気になること」など、新しいテーマにもチャレンジすれば、また一段と盛り上がります。

実物を用意する。

100万円の使い道について考える際は、100万円を実際に用意したり、交通安全について考える際は、交差点の拡大地図を用意したりします。

実物があると、具体的に考えることができ、会話も活発になります。

実物がない場合でも、模型や写真を用意することで、同様の効果が得られます。

主催者からの初めのあいさつで、自由に発言できるよう空気を作る。

主催者のあいさつで会議の雰囲気が決まります。

「今日は、とても重要なことを話し合います。そこで、どの人も自分の役職などはいったん忘れて、自由に意見を出し合ってください」

と主催者が始めに言うことで、自由な発言を保証することにもなります。

 

自由な発言を促すには、会議の雰囲気を堅いものにせず、ざっくばらんに、楽しいものにすることがとても効果的です。

 

意見を出させるテクニック

参加者にできるだけたくさんの意見を出してもらうためのテクニックとして、

  • 考える時間を設ける。
  • 紙に意見を書き出す。(ポストイットが便利)
  • 目標・ノルマを与える。(一人必ず10個以上の意見を出すこと、など)

などのテクニックがあります。

例えば、紙に意見を書いて、その後全員が書いたことを発表するといった進行にすれば、発言力の弱い人であっても意見を言いやすくなります。

また、時間を守るためのテクニックとして、

  • 発言時間を決めておく(「意見を1分以内で発言すること」など、あらかじめ時間を仕切ること)
  • 時間を守る練習をする(アイスブレイクから「話は1分以内で」などと時間を仕切る練習をしてもらう)
  • 参加者の一人を「時計係」に任命する(発言時の1分をお知らせする係、会議の経過時間や残り時間をお知らせする係を設ける。係は、会議のたびに持ち回りにすると、参加者に時間を意識してもらうことができる)

などがあります。

参加者それぞれの発言時間を決めておくことで、よくしゃべる特定の人だけが意見を言ったり、声の大きい人の意見に流されたりすることもなくなります。

とはいえ、会議終了予定時刻が近づいてきているが、議論が加熱して一つの結論にまとまらない場合は、最後の最後には「多数決」で決めることになります。

ただし、参加者が意見を十分に発言して、みんなに聞いてもらうことで、ある程度の納得を得られるため、「多数決」であっても納得してもらえる確率が上がります。

合意形成型の会議は、「多数決」をしてはいけない会議ではなく、「多数決」で決めても文句が出ない(少ない)会議です。

そして、「多数決」で決まった内容に対しては、納得できない結論かもしれないが、決めたプロセス自体に納得できれば、「とりあえずやってみよう」となり、実行されやすくなります。

 

まとめ

会議ファシリテーションのスキルを活用した合意形成型の会議をすることで、個人の意識や主体性が磨かれ、会議の質が上がり、組織全体がより良い方向に向かいます。

また、もっと詳しく知りたい方は、ぜひ本書をご一読いただければと思います。

要点がまとまっており、具体的なテクニックも記載されています。

特に、ファシリテーター的な言い回しはとても勉強になります。言い方によって、話の印象も異なり、話の方向性も変わります。そう言ったスキルも学ぶことができます。

読めば、即実践できる内容となっています。

私自身も、ファシリテーションスキルを活かして、会議をどうより良くしていこうか、今からワクワクしています。

というわけで、今回もお読みいただきありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA