天理教の教えについて学ぼうと思ったとき、最初に思いつくのが、「教典を読む」ではないですか?
天理教教典は、天理教の2代真柱 中山正善氏が編纂し、昭和24年に発刊されたものです。言葉のチョイスがちょっと堅くて、文章も若干時代を感じるため、今の若い人たちにとっては
「読みにくい、分かりづらい。」
「とっつきにくいなあ」
と思われる方もおられるのではのではないでしょうか?
この記事では、天理教教典をベースに、教えの要点をわかりやすく、なるべく今の言葉で、教語をできるだけ用いずに説明したいと思っています。
この記事を読んで
「なるほど、そういうことか!」
「天理教って面白い!」
と思って頂ける方が少しでも増えたら幸いです。
※この記事は、あくまで筆者の私見によりまとめたものです。公の見解ではありません。ご意見、ご指摘がありましたら謹んで承りますので、ご遠慮なくお申し付けください。
目次
第0章 概要 (1)
※天理教教典に「第0章」はありません。私が勝手に作りました。
天理教教典を読むにあたって、全体図があるほうが理解しやすいと思います。
「この章にはどんなことが書かれているのか?この章では何が大切だと伝えているのか?」
これがわかれば、教典の内容を理解しやすいですし、天理教の教えについて理解しやすいと思います。ですので、まずは全体像を把握するため、「第0章」として教典の概要について書きたいと思います。
この記事では、「前篇」の第1章~第5章までをまとめました。
第1章 おやさま
要点
- 「おやさま」こと天理教の教祖「中山みき」さんは、「神の社(神様が体の中に入っている状態)」となられたこと
- おやさまは、人間に神様の思いを伝えようと色々と試行錯誤されたこと
- スピリチュアルな意味で、おやさまは人間の「親」であること
所感
天理教という宗教の成り立ちをざっくりと説明しています。
神様と人間の関係は、「親子関係」に相当し、おやさま=母親よりも母親らしい母親(意味が分かりにくいですが)というイメージは、天理教を信仰している方ならだれもが抱くものではないかと思います。
人間誰しも、程度の差はあれ「マザコン」です。おやさまの存在は、信仰生活におけるモチベーションの一つになりえます。
第2章 たすけ一条の道
要点
- 「たすけ一条」とは、神様(おやさま)が教えてくださった、「おつとめ」と「おさづけ」のこと
- 「おつとめ」の効能や、おつとめが効くメカニズムについて
- 「おさづけ」とは何か?
所感
「おつとめ」のありがたさを教えてくださっています。私の思う「おつとめ」のありがたさは、「万能」であることです。よろづたすけ=万能な手段。病気・問題・困難に対して、どんな場合にも、どんな人にも、この「おつとめ」が効果があると教えてくださっていることが、天理教の教えの一番ありがたいところかなと思います。
それに匹敵する「おさづけ」もすごいです。(手軽さでいえば「おさづけ」の方が上ですね。)
第3章 元の理
要点
- 神様が、どのようにして人間を創られたのか
- この元の理(元始まりのお話)が、「おつとめ」の意味を説明することになる
- 神様のご守護についてや、おやさまがなぜ教祖となったのか、「ぢば」とは?
所感
人間創造の壮大な物語。天理教の神話的な話になります。「なぜ?どうして?これはどういうこと?」と疑問を持つ点は多々あります。が、神話ですので、こういうもの。というか、人間が作った話ではなく、神様が「実話」として話してくださった歴史の話というふうに私自身は解釈しています。
第4章 天理王命
要点
- 人間の体の中や、この世界で、神様はどんな働きをしているのか
- 神様の働きを10に分類して説明している
- 神様=人間の親であり、親が子供のことをいつも思っている
所感
元の理につづいて、こういうものシリーズ。どんな神様なのかは、おやさまの話を通してでしか知りえないので、「こういうもの」と納得するしかないですね。
ただ、働きを10個に分けていて、その10個それぞれがわりかしちゃんと独立しているように思います。また、この世界で起きる現象のほとんどが、この10個に割り振れるようになっていると感じます。よく考えられているなあと感心します。
第5章 ひながた
要点
- おやさま(教祖)の生い立ち
- 天理教のはじまり~世間に認識されるまで(ふせこみの期間)
- おやさまのご苦労やご苦心
- 最後のためし(おやさまがお姿を隠されるまで)
所感
この章にはおやさまのされたことと、周りの人がされたことが混在しているため、おやさまのされたことだけを抽出すると、また違った見え方・捉え方ができるかと思います。
また、文章のまま受け取るのではなく、状況を推察しながら読むと、よりリアルなおやさまの思い、言葉の意味を感じ取れるのではないかと思います。
まとめ
天理教教典の前篇 第1章~第5章は、主に天理教の教理について記されています。(後篇 第6章~第10章は、私たちそれぞれの信仰の順序について記されています。)
また、2代真柱さまは、
おやさまが親神様の話をお伝えになったその話の内容を、主としておふでさきから一つの筋道の立ったものとして拾い上げてくるというのが前篇の役割
とも話されています。原典である「おふでさき」の説明書的役割もになっているんですね。
言葉の言い回しや単語のチョイスが難しいだけで、内容としては簡潔です。ただし、全体像がみえていないと、少し回りくどいほど丁寧な文章なので、「何が言いたいの?」となってしまいがちです。
教典を読む前に、ぜひ要点を把握するといいと思います。
天理教の教理について勉強を始めるなら、まずは、「天理教教典」から取っ掛かってみてはいかがでしょうか?
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